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世界の記憶「上野三碑(こうずけさんぴ)」めぐりと上州ブランド二題⑤

2023/04/24公開
世界の記憶「上野三碑(こうずけさんぴ)」めぐりと上州ブランド二題⑤

目次

1 近隣の文化・歴史の予備知識を仕入れに吉井郷土資料館へ

―上州ブランドその一:吉井の火打金

2 藤原不比等の名も刻まれている和銅四年(711)銘「多胡碑」と多胡碑記念館へ

3 上州ブランドその二:剣術の神髄を今に伝える馬庭念流道場

4 日本最古の辛己(巳)年(681年)銘山上碑と山上古墳

5 仏教信仰のすがたを伝える神亀三年(726年)銘金井沢碑



5 仏教信仰のすがたを伝える神亀三年(726年)銘金井沢碑

最後に金井沢碑に向かいます。持ち時間僅かになり「石碑(いしぶみ)の道」をさけて西山名駅から上信電鉄を利用。

西山名駅より高崎駅寄り三つ手前の根小屋駅より南西に約600m、山上碑とは違って比較的平坦な道を行くこと徒歩約10分で金井沢碑に到着します。

 

自然石のかたちを残した円形の碑面には「先祖を供養し、(三宅みやけ)一族の繁栄を祈る」文章が刻まれており、「当時の家族、仏教思想や行政制度の普及が分かる」「碑文の中の「羣馬」は、「群馬」の県内最古の用例である」(多胡碑記念館パンフレットより)とのこと。子や孫の名前や鍛冶職人の名前まで掲げ、仏教の縁で結ばれた一族の繁栄を祈る姿に、日本に仏教が伝来してから約2世紀、造寺・造仏記事などとはまた一味違った信仰のあり様が垣間見えておもしろいですね。

 

ボランティアの方によると、本日の見学者は20人だったとのこと。もっと多くの人に見てもらいたいと思いつつ、上野三碑めぐりを閉じることにしました。

 


金井沢碑


金井沢碑文(高崎市教育委員会)


金井沢碑説明板(高崎市教育委員会)

 

付記 最後は駆け足になり、紙面の都合で三碑碑文の詳しい説明は割愛しましたが、詳細は関係サイトなどをご覧ください。

 

三碑のいずれも駐車場完備、ボランティアの懇切な説明があって、なおかつ無料の「上野三碑めぐりバス」が利用できるなど、見学環境が整っており、関係機関をはじめ「愛する会」「ボランティア会」「つなぐ会」など地元の方々の三碑にかける思いが伝わってくるようです。さすがは「世界の記憶」! 皆さんも是非お出かけください。

 

上野三碑周辺のガイドマップ(高崎市教育委員会発行)


上野三碑めぐりバスダイヤ


今回は利用しませんでしたが、断然便利!

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