【大阪・関西万博開催記念展示】酒と都と須恵器と土師器
2025/05/15公開

古来、酒は薬として重用されてきました。そのことは、7世紀の飛鳥京苑池で「薬酒」と書かれた木簡が出土していることからもわかります。酒は天皇がおこなうさまざまな祭祀などにも使われました。
奈文研がこれまでおこなってきた平城宮・京・寺院の発掘調査では、酒に関連する遺構や遺物がたくさん見つかっています。とりわけ平城宮跡では、造酒司(さけのつかさ)という酒や酢の醸造をつかさどる役所の跡が見みつかり、古代の酒造りの実態を知るうえで貴重な木簡や甕などの容器も出土しました。また、平城宮跡のみならず、平城京跡からは「酒坏」と書かれた須恵器や土師器もみつかっており、酒器と考えられています。
奈良は国家的な酒造りの"はじまりの地"といえます。大阪・関西万博では、「薬」でもあった古代の酒造りに関する奈文研の研究成果を紹介する機会をえました。このたびの展示は、万博での催事に合わせて開催するものです。
ぜひとも、平城宮の造酒司跡における発掘調査の成果を通じ、いにしえの酒の文化の一端にふれていただければ幸いです。[公式ホームページより]
会期:令和7年5月20日(火)~6月15日(日)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)
開館時間:9:00~16:30(入館は16:00まで)
会場:平城宮跡資料館 企画展示室
入場料・駐車場料:無料
公式ホームページ:https://www.nabunken.go.jp/heijo/museum/kikaku/heijo20250520.html
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奈良文化財研究所
TEL : 0742-30-6753