【特別展】御絵図(みえず)柄の衣裳/美御前御揃~王家の御道具
特別展示室では、毎月「国宝 琉球国王尚家関係資料」の美術工芸資料および文書資料をとおして、琉球国王尚家の歴史と王国時代の遺物をご紹介しています。
今月は、尚家資料から御絵図(みえず)柄の衣裳をご紹介します。「御絵図」とは、王国時代に描かれた織物の絵図(デザイン画)のことです。
王家が使用する織物を久米島や宮古、八重山に発注する際にこの絵図が使用されたといわれ、王国時代の織物デザインを伝える貴重な資料です。
尚家に伝来した「御絵図帳」には、様々なデザインの絵図が貼り付けられています。
また、尚家に伝来した衣裳には、この絵図を参考に織られたとみられる絣の衣裳が数点あります。いずれも、王家ならではの鮮やかな黄色地に、経緯絣が巧みに配置され、琉球の絣織物の美しさが存分に表現されています。
調度品は、先月に引き続き「美御前御揃」をご紹介します。
美御前御揃(ヌーメーウスリー)とは、琉球国王と王族が、首里城のプライベートな生活の場にあたる御内原(ウーチバラ)で正月や祝日などの祝宴に用いたとされる、琉球の特徴的な道具揃の事です。
中央に金・銀器、右に御籠飯(ウクファン)、左に御玉貫(ウタマシチ)を配し、それぞれを高い脚付盆に据えます。中央の金杯は国王だけが使用しました。当館では、記録に基づき尚家伝来の器物を組み合わせて往時の「美御前御揃」を復元しています。
これらの器物は、意匠や技法が微妙に異なることから、同時期に製作されたものではないと見られ、補充などを経て現在の形になったと考えられます。
文書資料は、尚家資料より即位に関する資料として「尚育様御元服日記」、「尚育様御即位日記」、「冠船御礼式日記」、「尚泰様御即位日記」、「尚泰様御元服御草紙」、「冠船御礼式日記」をご紹介します。
王国時代の貴重な記録と、精緻な美術工芸品をぜひご覧ください。[公式ホームページより]
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会場:那覇市歴史博物館
〒900-0015 沖縄県那覇市久茂地1丁目1番1号パレットくもじ4階
会期:2023-06-02(金) ~ 2023-07-03(月)
入場料:一般350円 大学生以下無料
休館日:毎週木曜日
開館時間:午前10時~午後7時
問い合わせ先:098-869-5266
公式サイト:http://www.rekishi-archive.city.naha.okinawa.jp/exhibit/held